アコーディオンの独学が困難な原因は、なんといっても左手側のベースボタンの操作が分らないことではないでしょうか。音楽スクールに行くとなると、お金も時間もかかります。地方の場合、スクールを探すことすら困難です。オンラインスクールもありますが、できれば、好きな時に好きな曲を独学で学びたい!初心者向けテキストなるものを購入して始めてはみたものの、右手側はどうにかなっても、左手側のベースは難解で、「はたしてこれで合っているだろうか?」という思いが頭から離れません。独学ではそれを確認する術もなく・・・・結局、挫折してしまいました。
ある日、YouTubeで何気なくアコーディオンの動画を見ていた時、似て非なる楽器を発見しました。左手側のベースボタンが少ない。しかも大きい!これなら、独学でもできそうだ。ということで、似て非なる楽器と楽譜(楽譜が読めなっかたのでCD付)を購入、独学を再開して今年で10年になります。
この似て非なる楽器を、アコーディオンに限らず、楽器で挫折したがリベンジしたい。あるいは、何か楽器を始めたいが、独学で学べるものを探しておられる方に紹介したくなりブログを始めました。
まずは、YouTubeで実物をご覧ください
この似て非なる楽器は、その名をスタイリッシュハーモニカ(steirische harmonika (ドイツ語名))といいます。スタイリッシュなハーモニカ?なんだそれは?と思われたことと思いますが、外見はアコーディオン、原理はハーモニカです。そんなことはどうでもいいことで、音楽的才能ゼロの私が完全独学でそれなりに弾けるようになるまでの体験をお伝えできればと思います。
まずは実物をご覧いただくのが一番かと存じます。
steirische harmonika – YouTube ←ここからお入りください
このように無数の動画が投稿されております。日本では全く無名の楽器ですが、ヨーロッパではとてもポピュラーな楽器です。日本でいえば、ピアノやギターのように、1家に1台とまでもはいかなくても近所を探せば誰かが持っているという普及率です。カタカナで「スタイリシュハーモニカ」と検索しても「スイスの民族楽器」と表示される程度ですが、世界的には決してマイナーな楽器ではありません。
日本でピアノ、あるいはギターといっても、これだけ大勢の人がやっているので今さら指導者はもとよりプロになるのは至難の業ですが、日本で誰もやっていないということは将来性がある=その道のプロになることも夢ではないと思います。そういった意味でも若い皆さんにもお勧めしたい楽器です。
なお、オーストリアにスタイリッシュハーモニカに特化してテキストを作成、楽譜の販売などを手掛けているミヒルバウワー Michlbauer(←ここをクリック) という会社がありますので、参考までにホームページをリンクしておきました。
3列モデルと4列モデルどちらがいい?
スタイリッシュハーモニカは、3列モデルと4列モデルが一般的です。下の写真は4列モデルです。画面左側の演奏用のボタン(演奏する場合は右側になります)が4列あります。これが4列モデルです。ついでに右側のベースボタンをご覧ください。冒頭で申したとおり、アコーディオンと比べると非常に少ないことがお分かりいただけたと思います。4列モデルの場合でもたったのこれだけです!
これは4列モデルの画像になります
次に3列モデルを見てみましょう
画面右側のベースボタンは、さらに少なく僅か12個しかありません。
当然ですが、3列モデルの方が小型軽量で値段も安いです。私の経験からすると始めてから2年~3年は3列モデルで十分です。ここまで続くと、そろそろ、2台目として4列モデルを買ってもいいかな、という気持ちになると思います。個人的には軽くて気軽に担いでみたくなる3列モデルを推薦します。
3列モデルの注意点
上の写真の3列モデルでは外側のベースボタンが7個あることを確認してただけると思います。外側の一番上のボタンをX-bassといいます。後ほど楽譜の紹介のコーナーで申し上げますが、X-bassがないと引ける曲の数がかなり少なくなってしまします。これは、私の反省点でもあります。3列モデルの場合は外側のベースボタンが7個ある=X-bassがある。を選びましょう!
楽譜はどうすればいい?
スタイリッシュハーモニカは、その名のとおり原理はハーモニカのため蛇腹を引く時と押す時で音が違うので専用の楽譜を使います。これは、日本で一般に言うハーモニカで吹く時と吸う時で音が異なるのと同じです。
専用の楽譜と言っても、先ほど申したとおりヨーロッパではとてもポピュラーな楽器なので、stirische harmonika noten(notenは楽譜の意味)で検索すると無数に出てきます。きっとお好みのジャンルのものも見つかると思います。最近はPDFの楽譜も増えてきてるので、これだと送料なしで好きなものだけ購入できるというメリットがあります。
〇無料でPDFの楽譜をダウンロードできる楽譜もありますので、下のリンクから実物をご覧ください。(「無料」の表示のあるものは直接ダウンロードできます。)
/https://akkordeon-harmonika-noten.de/steirische-harmonika/
/https://www.steirische-harmonika-noten.at/griffschrift-online-shop/produkt-kategorie/gratis-noten/
独学の場合、やはり気になるのが楽譜が読めるのかということです。結論から言うと、先にCDなどでメロディーを覚えてしまえば弾けます!。お恥ずかしい限りですが、未だに楽譜を見てもメローディーが思い浮かびません。でも、先にメローディーを知っていれば、あとは、楽譜にあるいくつかの記号の意味が分かれば弾けるので大丈夫です。
これから先は、楽譜にあるいくつかの記号についてお話してきたいと思います。覚えるべき記号の数は意外に少なく、これさえ覚えてしまえばすぐに弾けます。
楽譜の記号の意味について
確実に上達するためには、やはり、テキストの1、2冊は必要かと思います。テキストはネットで簡単に買えますが、残念ながら、私の知りうる限りドイツ語のテキストしかないので、このブログで予備知識をお知らせすることで、実際にテキストをご覧になる際にお役に立てればと考えます。
テキストはドイツ語と言っても、ほとんどは絵なので見たとおりやれば大丈夫かと思います。テキストにつては後ほど紹介します。
それでは、楽譜記号の解説に入ります。
まず、[楽譜はどうすればいい?]でご紹介した無料楽譜のなかで演奏見本(Hörprobe)がついているものがありますので、下にあるリンクから楽譜と演奏を対比しながらお聞きください
音源をクリックしたらすぐに譜面をクリックして拡大してください↓
/https://www.steirische-harmonika-noten.at/griffschrift-online-shop/produkt/a-rindvieh-i-bin-fidel/
ご覧いただいた楽譜を解説すると以下のとおりになります。
とりあえずこれだけ知っていれば弾けます!
弾き方について
次に、いよいよ具体的な弾き方についてお話ししたいと思います。
この上の図でA列、B列、C列とありますが、3列モデルの場合、外側から順にA列、B列、C列と称します。4列モデルの場合は、もう1列、D列が追加になります。
スタイリッシュハーモニカの購入については別のコーナーで解説しますが、購入後にやるべきこと、やって良かったことをお話しします。
①B列の中央あたりに目印がある(触ってザラザラする)ボタンに中指を乗せてください。⇒蛇腹を押しても引いても同じ音が出ればOKです。ここがすべての基準となります。
②次に中指を乗せたままで残りの4本の指を乗せてください。⇒各指が5線譜の線に一致します。親指=1番と称します。以後下に向かって2、3、4と続いて小指が5番、①で一番先に乗せた中指が3番になります。この番号は、楽譜に書かれている場合があるので覚えておくとたいへん便利です。
ここで、重要なことですが、どのボタンが、ド、レ、ミ?という考えを捨ててください。新しい楽器を手にすると、ドレミファソラシドを確認したくなりますが、蛇腹の押しと引きで音が異なるので無意味です。楽譜の指示どおりにボタンを押していくというイメージでお願いします。
③テキストなどには書いてありませんが、親指と小指の位置のボタンに文房具店などで売っている「丸シール」を貼りましょう!このシールの位置が、②でお話しした5線譜の一番上と一番下の線と一致するので演奏が非常に楽になります。目で見て確認するというより、指で触って位置が分かるように2、3枚重ねて厚みを出すと効果的です。ただし、あまり厚くすると演奏する際に指が引っかかってストレスになるのでご注意ください。
④B列と同じように、外側のA列と内側のC列にも同じようにシールを貼りましょう。もし、4列モデルをお持ちであれば、同じ方法だとD列のみボタン1個分ずれるのでご注意ください。
ここまでやれば無敵です!あとは、楽譜を見ながらどんどん弾きましょう!